大阪府河内長野市の阿部司法書士事務所です。不動産登記や商業登記、相続や遺言、成年後見、破産・債務整理等お気軽にご相談ください。

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債務整理とは

債務整理とは、文字通り債務を整理する手続きです。借りたお金を返すのは当然ですが、借金を返すために新たな借金をしてしまい、借入額が大きくなりすぎて、返済ができなくなってしまうケースがよくあります。これが多重債務といわれる状態です。返済できる能力を超えて借金をすると、返済に行き詰ってしまうのは明白ですが、日々の生活に精一杯のため、「気がつけば多重債務に陥っていた」という方も多くおられます。

また、借金の問題はなかなか他人にも相談しづらいものです。特に、消費者金融や信販会社からの借金に対しては、「ギャンブル等の浪費が原因だろう」「だらしない性格なんだろう」という偏見が少なからずあり、一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、借金の原因は人それぞれで、突然の失職や家族の病気・怪我、または身内の不幸事等でやむを得ず借金をする方が殆どです。また、生活費が少し足りない時に、ついクレジットカードでキャッシングをしてしまい、一度だけのつもりが、あまりの手軽さに何度か繰り返すうちにだんだん抵抗がなくなり、借金が増えていくという話もよくききます。夫婦間では、相手に内緒にしているケースも多く、罪悪感も手伝ってどんどん深みにはまっていくこともあります。

上記のように、多重債務の問題は、ちょっとしたことがきっかけで誰にでも起こる可能性があります。真面目な方ほど、返済不能な額の借金を抱えた自分を責め、最悪の場合は自殺に至ることもあり、深刻な問題となっています。

一人で悩んでいても、問題は解決しません。多重債務の問題は専門家にご相談下さい。弁護士や司法書士に依頼すれば、代理人が債権者と交渉するため、依頼者に対しては債権者からの直接取立がストップされます。また、法律に違反する高金利を支払っていたことにより、本来ならば既に全額返済済みであるはずの債務を、支払い続けている可能性もあります。ご相談頂いた内容については、当然の事ながら、秘密は厳守いたします。安心してご相談下さい。

 

任意整理

任意整理とは、依頼を受けた弁護士や司法書士が、債務者の代理人として債権者と交渉することで、裁判手続を利用せずに解決を図る方法です。原則として、債務の残額を確定させた上で、将来利息をカットすれば3年程度の分割払いで返済することができる方は、大体この方法で解決できます。また、弁護士や司法書士が債務整理事件を受任した旨の通知を債権者に送れば、債権者からの督促が止まりますので、ご自身がおかれている状況や返済の目途について、冷静に考える機会を持つことができます。なお、ここでいう債務の残額とは、お手元にある「ご利用明細書」等に記載されている利用残高ではありません。取引開始時まで遡り、利息制限法上限内の金利を支払っていたとしたら、現在いくらの債務が残っているのかを確認し、確定させる必要があります。この問題を理解するには、利息制限法と出資法の関係を理解する必要があります。

貸金業者の上限金利を定める法律には、利息制限法(元本10万円未満は年率20%、元本10万円以上100万円未満は年率18%、元本100万円以上は年率15%)と、出資法(年率29.2%(平成12年5月末までは40.004%))があります。原則としては利息制限法が適用されますが、「みなし弁済」という利息制限法の例外規定を満たすと、出資法の上限金利を適用することができます。消費者金融等を利用された方の大半は、出資法の上限金利である29.2%に近い金利で取引を続けていたはずです。つまり、元本が10万円以上であれば、本来は金利18%が上限であるにも関わらず、10%以上高い金利を支払ってきたことになります(平成12年以前の取引では20%以上高い金利を支払っていた可能性もあります)。これを「みなし弁済」という例外規定を満たさないと考え、利息制限法の上限金利に引き直すことによって、債務残高を確定させるのです。

上記の「引き直し計算」によって減額された債務につき、「将来利息は無し」「3年程度の分割払い」で和解が成立すれば、債務者の負担は大幅に軽減され、手続前とは違って、弁済すれば元本が目に見えて減っていくことになります。場合によっては、債務が全くのゼロになったり、過払金が発生していて、貸金業者に対して返還請求できる場合もあります。

注意を要するのは、いわゆる「ブラック」になる可能性が高いということです。世間一般にいう「ブラックリスト」なるものは存在しませんが、個人信用情報に特定の内容が記載されます。個人信用情報については、書き出すと長くなりますが、簡単にいうと、「信用情報機関」というところに載っている情報のことです。信用情報機関はいくつかありますが、個人情報として「住所」「氏名」「生年月日」「勤務先」「借金(保証含む)」等が登録されています。何社からいくら借りていて、返済は正常なのか延滞中(または過去に延滞があった)なのか等が確認できるため、貸金業者は融資をする際に、この信用情報を確認して、融資の可否を決定します。以前はこの信用情報の中に「弁護士介入」や「司法書士介入」等の記載があれば、事実上返済に行き詰って法的整理手続に入ったものと考えられ、いわゆる「ブラック」扱いがされていました。今では「契約見直し」のように記載されるらしいですが、これをどう解釈するかは貸金業者次第となります。返済能力には問題がないと判断して融資を実行する会社もあるかも知れません。なお、個人信用情報は本人が希望すれば取り寄せることができますので、気になる方は取り寄せて確認することは容易です。

最後に、任意整理にかかる費用ですが、これは事務所によって違います。当事務所では

・着 手 金 ・・・債権者1社あたり32,400円

・成功報酬・・・過払金を回収した場合のみ、回収額の16.2%(減額報酬は頂きません)

としております。費用の後払いや分割払いもご相談下さい。

 

過払い金返還請求(不当利得返還請求)

債務整理事件を受任した場合、最初に行うのは、債権者宛てに受任通知書を送る作業です。この受任通知には、今後の連絡は債務者本人ではなく、代理人に対して行うよう通知することが主な目的であり、債務者本人に対する督促を止めてもらうために行います。また、消費者金融や信販会社等が債権者である場合で、利息制限法の上限金利を超える取引があったことが予想される場合は、取引開始から現在までの取引履歴を代理人宛てに送付するよう依頼します。そして、各債権者から開示された取引履歴を、利息制限法の上限金利に引き直して再計算をすることになります。

利息制限法違反の高金利を支払っていた場合には、取引期間が長ければ長いほど、残債務の額を減らすことができ、場合によっては既に借入元金は全額返済されていることもあります。例えば、約定金利29.2%で50万円を借りて、1ヶ月後(30日後)に2万円を返済したとすると、返済した2万円のうち約12,000円は利息となるため、元本は約8,000円しか減りません。この調子で毎月2万円ずつ返済していくと、完済するには約39回、金額にして約78万円を支払わなければなりません。同じように50万円を借りても、金利が利息制限法の上限である18%の場合は、返済した2万円のうち利息となるのは約7,400円であり、元本が約12,600円減ることになります。同様に毎月2万円ずつの返済を続けると、完済するには約33回、金額にして約64万円を支払えば足りることになります。つまり、この例の場合、約14万円も払いすぎていることになり、返還請求ができることになります。ただし、多くの場合は、借りたり返したりを繰り返しているため、過払金が生じる時期は、取引開始から6~7年後となることが多く、もちろん人によって異なります。

上記のような引き直し計算を行った結果、過払いが生じていた場合は、貸金業者に対して返還請求をすることになります。少し前までは、裁判を提起しなくても、請求すれば比較的容易に返還されていましたが、最近では事情が変わってきました。過払いの返還請求が相次いだことにより、貸金業者の中でも、廃業・倒産する会社が増加し、大手の貸金業者ですら存続が危ぶまれているところもあります。各会社によって対応は異なりますが、裁判手続きを踏まなくても返還に応じる貸金業者は皆無であるといっても過言ではありません。今後、過払金の返還請求をする場合は、訴訟提起が必須であり、半年から1年程度の期間がかかることを認識しておかなければなりません。なお、過払いによる不当利得返還請求権の消滅時効期間は取引終了(完済)時から10年とされています。

過払金返還請求は、多重債務から脱却し、生活再建を図る上で非常に有効な手段です。借金でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。

 

自己破産① 自己破産とは

自己破産とは、債務者が借金等により、経済的に破たん(支払不能といいます)してしまい、返済が出来ない場合に申し立てる手続です。破産法では、破産の申立ては、通常債権者から行うことが予定されていますが、債務者自らが申し立てる場合を一般的に「自己破産」と呼んでいます。自己破産の申立ては、任意整理や特定調停、個人民事再生等の債務整理手続では解決できない場合の最終的な手段となります。
自己破産の申立てをし、免責許可の決定が出た場合は、債務者の必要最低限の生活費、財産以外は全て換価し、各債権者にその債権額に応じて借金を返済する変わりに、残りの借金の支払義務が免除されます。国が設けた救済制度ともいえ、裁判上の手続きの一つです。

<<自己破産のメリット>>
・免責許可決定が出た場合、借金を返済する必要がなくなること。
自己破産を申し立てる殆ど全ての方が、免責を受ける事を目的とするため、あえてメリットという必要はないかもしれませんが、借金の返済義務がなくなることが破産手続きの最大の特徴です。

<<自己破産のデメリット>>
・不動産や自動車等の一定以上の価値がある資産を失うこと。
破産手続は、今ある財産を全て(必要最小限のものは除く)換価して、各債権者に平等に弁済する代わりに、支払不能となった借金の支払義務を免除してもらう手続です。簡単にいうと「自分の財産は投げ出して全て返済に充てるので、それ以上の借金の返済は勘弁してください」ということです。ですから、手元に財産を残して(隠して)破産・免責を受けることは許されません。
・ 官報に掲載されること。
官報とは国の機関紙です。国会や内閣・皇室に関する広報や、会社・地方公共団体・裁判所等の公告が掲載されますが、一般の人が目にすることはあまりないといえます。悪質な金融業者等が官報を見てDMを送ってくることがありますが、無視すれば問題ありません。
・破産者名簿に記載されること。
本籍地のある市町村役場で破産者名簿に記載されますが、破産者名簿は公的な身分証明のため、当然に非公開であり一般の人は見ることができません。ただし、特定の職業に就く場合(破産が資格制限にかかる場合)は、本籍地のある市町村役場が発行する身分証明書を提出するよう要求されることがあります。
破産者名簿は、免責決定が確定すれば抹消されますし、同時廃止事件の場合には記載されない取扱いになっているようです。
・資格制限があること。
破産の開始決定が出ると、弁護士や司法書士、税理士等の資格は停止され、業務をすることが出来なくなります。警備員や生命保険の募集人、宅地建物取引主任者等も制限を受けます。ただし、免責を受けて復権すれば、もとの職業に就くことは可能です。 
・信用情報機関に登録されること。
個人信用情報に破産したことが登録されます。通常、金融機関は融資の可否に際しては信用情報を確認しますので、ローンを組んだりクレジットカードを作ったりすることは出来なくなります。破産情報は5~7年間登録されるといわれています。

 

自己破産② 免責不許可事由

通常、自己破産の申立てをする場合は、免責許可の決定を受けることを目的としますが、破産法第252条第1項には免責不許可事由が規定されており、免責不許可事由に該当する場合は、免責が許可されないことになります。破産法が規定する免責不許可事由は以下のとおりです。

1.債権者を害する目的で破産財団に属し、または属すべき財産の隠匿、破壊、債権者に不利益な処分その他破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。

2.破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、または信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。

3.特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的または他の債権者を害する目的で、担保の供与または債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、またはその方法もしくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。

4.浪費または賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担したこと。

5.破産手続開始の申立てがあった日の1年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。

6.業務および財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、または変造したこと。

7.虚偽の債権者名簿(破産法第248条5項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む)を提出したこと。

8.破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、または虚偽の説明をしたこと。

9.不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理または保全管理人代理の職務を妨害したこと。

10.次のaからcまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれaからcまでに定める日から7年以内に免責許可の申立てがあったこと

a 免責許可の決定が確定したこと・・・・当該免責許可の決定の確定の日
b 民事再生法第239条1項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと・・・・当該再生計画認可決定の確定の日
c 民事再生法第235条1項(同法第244条において準用する場合を含む)に規定する免責の決定(いわゆるハードシップ免責)が確定したこと・・・・当該免責決定に係る再生計画認可決定の確定の日

11.破産法第40条1項1号(説明義務)、41条(重要財産開示義務)、250条2項(免責についての調査協力義務)に規定する業務その他この法律に定める義務に違反したこと。

※以上のような、免責不許可事由に該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責許可決定(いわゆる裁量免責)をすることが可能であり、必ず免責不許可となるわけではありません。

 

自己破産③ 非免責債権

先に述べた免責不許可事由に加え、破産法には、免責の効果が及ばない債権(非免責債権)というものがあります。免責不許可事由は、債務者に問題があり、免責を許可することが相当でないと判断される事由ですが、非免責債権の場合は、債務者の事情とは関係なく、一定のものは免責されない取扱いとされています。具体的には以下のようなものです。

①租税等の請求権
所得税や法人税のほか、都道府県民税、市町村民税、固定資産税、不動産取得税、法人・個人事業税、自動車税、軽自動車税、国民健康保険料、国民年金保険料、介護保険料、等です。

②破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
返済できないことを知りながら、クレジットカードで貴金属等を購入し、現金化したような場合は、悪意で加えた不法行為に基づく損害と判断される可能性があります。

③破産者が故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
飲酒運転で大怪我をさせた場合等、生命または身体という重大な法益侵害に対する、被害者保護の観点から設けられた規定です。

④次に掲げる義務に係る請求権
a 夫婦間の協力および扶助の義務
b 婚姻から生ずる費用の分担の義務
c 子の監護に関する義務
d 扶養の義務
e a~dに掲げる義務に類する義務であって契約に基づくもの
一定の身分関係から生ずる権利義務であり、要保護性が強いため非免責債権とされています。

⑤雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権および使用人の預り金の返還請求権

⑥破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
債権者名簿に記載されなかった債権者は、免責手続に関与する機会が奪われることになるため、非免責債権とされています。ただし、債権者が破産手続開始の決定があったことを知っていた場合は、非免責債権とはなりません。
なお、虚偽の債権者名簿(債権者一覧表)を提出することは、免責不許可事由となります。

⑦罰金等の請求権
罰金や科料、追徴金等は、その制裁的側面を重視して非免責債権とされています。