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司法書士と民事訴訟

従来より、他人間の法律上の争いに関しては、弁護士以外の者は関与することができませんでした。このことは弁護士法第72条「非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止」に明記されています。弁護士法72条によると、弁護士以外の者は、報酬を得る目的で、訴訟代理人として裁判に関与することはもちろん、裁判外での示談交渉(和解交渉)をすることも禁じられています。俗に言う非弁行為とは、この弁護士法72条に違反して、紛争の当事者でない者が、報酬を得て法律上の争いに関与することを指します。しかし、この弁護士法72条には例外があり、「他の法律に別段の定めがある場合は、この限りではない。」というただし書きがそのことを表しています。この例外の一つが、司法書士法第3条です。司法書士法の平成14年改正により、簡易裁判所における訴額140万円以下の事件に限り、司法書士にも訴訟代理権が認められました。また、紛争の目的の価額が140万円以下であれば、当事者の代理人として裁判外で相手方と示談交渉をすることも可能となりました。

平成14年に司法書士法が改正され、従来弁護士の独占業務であった訴訟代理権が部分的に司法書士に開放されたのは、司法制度改革によって、国民の司法アクセスを向上させることが目的でした。というのは、もともと訴額の低い裁判というのは、弁護士にとっては手間の割に報酬が安いため、受任に積極的ではありませんでした。また、弁護士が都会に集中しているため、地方の人にとっては、法律相談をしようにも弁護士が近くにいないという問題も指摘されていました。そこで、全国にほぼ偏りなく存在し、裁判書類作成を通じて裁判手続にも一定の知識を持っている存在として、司法書士に簡裁訴訟代理権が条件付きで付与されました。条件付きというのは、定められた研修を受講し、法務大臣が実施する認定考査において簡裁訴訟代理等関係業務を遂行する能力があると認定されることをいいます。ですから、すべての司法書士が簡裁訴訟代理等関係業務を行えるわけではありません。

上記のとおり、司法書士が訴訟代理人として民事訴訟に関与できるのは、訴額140万円以内の事件となりますが、意外に該当する事件はたくさんあります。債務整理に関しては、債務総額は500万円、1000万円の人でも、訴額は紛争の相手方によってそれぞれ決まりますので、1社あたり100万円の借入を5社、10社、というような人については、問題なく代理権の範囲におさまります。過払い金返還訴訟においても、過払い金の額が各社140万円以内であれば、代理することができます。売買代金や請負代金の請求においても同様ですし、アパートの家賃滞納であれば140万円以上滞納しているケースの方が少ないと思います。また、家賃滞納に基づく明渡請求の場合は、訴額が建物の評価額の2分の1となり、それも貸室(○○○号室等)の部分のみで算定しますので、これも140万円以内であることが結構あります。その他にも、未払い賃料や残業代、解雇予告手当の支払い請求等の労働紛争も増えています。労働基準法は労働者を守るための法律ですが、特に中小企業では就業規則や三六協定なしで当然のように時間外労働をさせている(法定労働時間や法定休日すら知らない)ことも多々あります。

司法書士は市民に身近な法律家を自負しています。普段の暮らしをしている中で、誰にでも起こりうるような紛争が、まさに司法書士の民事訴訟の代理権を活かせる事件だと思います。当事者間では収拾がつかなかったことが、司法書士が介入することで、訴訟提起をするまでもなく示談がまとまるということもよくあります。どんなことでもお気軽にご相談ください。一人で悩むよりは解決に近づくはずです。

 

本人訴訟支援

 

裁判所における民事訴訟手続は、弁護士や司法書士に代理人を依頼するのが当然だと思っていませんか?法律では、訴訟手続に代理人として関与できる者は原則として弁護士(一定の場合は司法書士も)に限ることとなっていますが、当事者本人が訴訟遂行をすることは禁じられていませんし、むしろ原則は当事者本人がすべきものです。

一般的には、裁判は難しい、手続が複雑、労力がかかる、といった理由で、ほとんどが代理人によって行われています。テレビドラマ等で見る裁判といえば、男前(美人)の弁護士が難しい言葉を使って相手をやりこめていくシーンがよくあります。裁判がすべてそういったものであれば、一般の人が法廷で弁論することは不可能に近いかもしれません。しかし、実際の裁判では、法廷での弁論よりも訴状や準備書面、証拠の提出等で勝負が決まってしまうことが多くあります。裁判官に判決を書いてもらうに足る事実(要件事実)が真実存在し、書面で過不足なく主張することができて、証拠がきっちり提出できれば、口頭弁論期日においてはほとんど何もしなくてもよい場合もあります。

司法書士の本来業務の中に、「裁判所や検察庁に提出する書類の作成」というものがあります。これは、平成14年の司法書士法改正により、司法書士に簡裁訴訟代理権が認められる前から、司法書士の業務として行われてきているものです。代理人にすべてを任せてしまわずに、あくまで当事者として訴訟手続を遂行したいという方は、司法書士に書類作成を依頼し、自身が出廷する(司法書士も同行することが多い)という方法で実現することができます。代理人を立ててしまうと、自分の裁判なのに人ごとのようになってしまい、定期的に報告を受けても「よく分からないのでお任せします」となってしまいがちです。この点、自分自身が訴訟遂行をしている場合は、当然自分が提出している書面と相手方から出された書面をきちんと読み込んで出廷しますので、何が争点でどの証拠によって何を立証しなければならないのか、ということを考えますし、結果がどうであっても納得ができるのではないかと思います。

裁判書類等作成関係業務は、簡裁訴訟代理等関係業務と違い、司法書士が関与できる訴額や管轄裁判所の制限はありません。自分で裁判をやりたい方は、この司法書士による本人訴訟支援を検討されてはいかがでしょうか。